あらすじ・概要
『全日本ユース選抜強化合宿』に参加することになった瑠璃と翔星。翔星はそこで幼なじみの晴海と再会する。久しぶりに会った幼なじみは強敵へと成長していた……。一方瑠璃は、翔星についてきた椿が、実は卓球の才能があることを知る。翔星のけががほぼ完治し、椿は己の存在意義に向き合うこととなるのだが……。
試合を通して自分と向き合う回
今回は1、2巻よりもロマンチックかな? と思いつつ、やはり恋愛要素はにおわせる程度でメインにはならないんですよね。椿から翔星への好意も、恋愛感情とは明言されていなくて、「将来そういう関係にならずに淡い好意で終わるのかもしれないな」と思ってしまいます。お互い好意があるけれどくっつかない男女が好きな身としてはにこにこしますね。
翔星のけががほぼ治っていることが判明し、「トレーナーとして」「サポート側として」生きてきた椿は存在意義に悩みます。翔星のため、ではなく自分はどうしたいのか。改めて選択を突き付けられた椿の心のゆらぎは真に迫っていました。
そこで、もともとはろくに友達のいなかった瑠璃が椿をサポートしようと立ち回るところがよかったです。彼女も成長したなあ。それで翔星を取り合うのではなくあくまで友達と接するのがさわやかです。
晴海も椿も、翔星と試合をすることによって自分の中の何かを超えようとしていました。卓球シーンの熱さとともに、己の中の葛藤やこだわりが溶け、自分自身と向き合えるようになっていきます。あくまでキャラの話なんですが、読んでいて私の中のわだかまりも溶けていくようでした。
まだ続きが書けそうな内容ですが、3巻で止まっていると言うことはここで終わりなんでしょうね。でもキリのいいところで終わっているので続きが読みたくて困る! ということはありません。面白かった!