ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

『魔法使いの約束』無料開放されたメインストーリーを読んだ

このブログには広告・アフィリエイトのリンクが含まれます。

B's-LOG 2022年1月号 [雑誌]

友人に勧められたのでアプリゲーム『魔法使いの約束』のメインストーリーを読んでいました。今、2周年を記念してメインストーリーが解放されています。

サムネにちょうどいいAmazon商品がなかったのでビーズログの表紙を引っ張ってきた。

 

あらすじ・概要

主人公(デフォルト名:真木晶)はある月夜、エレベーター経由で不思議な世界に迷い込む。魔法使いを名乗る男たちが言うには、自分は「賢者」として魔法使いを束ね、世界を滅ぼす「大いなる厄災」を退けなければならないらしい。元の世界に帰れるその日まで、魔法使いに協力することになった主人公だったが……。

 

倫理がないけど男同士の巨大感情コンテンツとしては優秀

倫理がねえ! うん、友人から尖った内容の作品だとは聞いていましたが、これはなかなかです。

方向性としては男男の巨大感情コンテンツなんですが、同時に「この世の愛をすべて肯定するには倫理をガバガバにする必要がある」みたいな話でしたね……。

そもそも魔法使いは「人間から生まれた人外」として描かれていて、人間のルールや価値観に囚われない存在です。だからこそまほやく世界の人々は魔法使いを怖れ、遠ざけもします。

そして、人のルールに囚われない存在という前提があるからこそ、いっそ凶悪と言ってもいい感情を持っていても「まあ魔法使いだからな……」と納得させられてしまいます。巨大感情を前提とする世界観づくりが秀逸でした。

フォローしておくと一応まともな価値観をしている魔法使いもいます! 今後の展開でどうなるかわかりませんが……。

 

作品の本題ではないけれど面白いなと思ったのが、結構ストーリーに関わってくる女性キャラがいることですね。私はメインストーリー全部とスポットストーリーをいくつか読んだくらいなんですが、それでも魔法使いのムルに片思いしていたパディア、ミスラの腐れ縁でありルチル・ミチルの母のチレッタ(故人)のふたりいます。

このチレッタとミスラの設定がなかなかすごくて、結末に近いシーンだから詳しくは説明しませんが……。こういうゲームで「過去の女」を出すことにびっくりしてしまいました。「過去の男」がいる男は結構見たけどこのパターンは初めてでした。

私は女性キャラが好きなので、こうして女性キャラをストーリーに関わらせてくれるところ嬉しいです。イケメンばっかり出てくるゲームって異様なほど女性が出てこない場合が多いんですよ。

しかもその女性キャラが結構濃いのが面白い。いわゆる「同性に好かれるようないい子の」キャラじゃないんですよ。そこがいい。

男同士の巨大感情とさっき言いましたが、それは作品の傾向としての問題であって、世界観としては当たり前に「それ以外の愛」も存在するんですよね。そこを示してくれるのが素敵でした。

 

宗教上の理由であまりガチャに課金できないのですが、楽しませてもらったので何かメディアミックスでも買おうかなと思っています。