あらすじ・概要
戦争やテロに利用された異能を持つ少女たち「ムーンチャイルド」。彼女らは戦争の後狩られ、それに抗うためにテロを起こしていた。命川景はムーンチャイルドの生き残りに家を占拠され、しぶしぶ共同生活を送ることとなる。しかし景にはムーンチャイルドにまつわる秘密があった。
暴言ヒロイン多すぎて作者の趣味を感じる
作者、よっぽど「暴言を吐く美少女」が好きなのだろうなと思いました。こんなに出てくる女の子の暴言率が高いライトノベルは初めてです。ここまで来るとこだわりですね。
吐かれる暴言はほとんど理不尽なものですが、そもそもの世界観が「異能力を持った美少女がテロリストとして狩られている」とかなり理不尽なのであまり腹が立たなかったです。
あと暴言を吐かれる側の主人公も何だかんだ異常性がにじみ出てるのも暴言がマイルドになる理由だと思います。
戦闘シーンも壮大で派手で楽しいです。かわいい女の子がドンパチしているのはいい。
しかしいい作品だったと言うには減点要素が多すぎました。
まずテロや戦争など政治を扱わざるをえないテーマなのに、作中の倫理観がガバガバなのでキャラクターがどんな政治的主張をして来ても心に響きません。
レイプにしろテロにしろ児童虐待にしろ、ただエンタメとして扱いたかっただけでそれがなぜ「だめ」なのかという描写が弱すぎます。キャラクターが突然説教臭いこと言い出しても説得力がありません。
それからやっぱりヒロインたちの暴言に深い意味がないので、景がヒロインたちのため行動するシーンに「こいつら嫌なことしか言わないのになんで主人公はかいがいしいのか……」となるんですよね。一応理由はあるにしろ、読者としてはその理由に気持ちが追い付かなかったです。
サクサク読めるし結構楽しめはしたんですけど、それは私と相性が合っただけであって、クオリティの点ではあまり評価はできないです。