あらすじ・概要
国際結婚し、ドイツに移住することになった著者。語学学校でドイツ語を学びながら、ハンブルグの町で暮らしていく。目の当たりにしたのはドイツ文化と日本文化の違いだった。ドイツ人の興味深い習慣や、クリスマスや新年などの年中行事まで、ドイツ暮らしを描いたコミックエッセイ。
自慢やマウントっぽさがなくあっさり読める
基本的にドイツという国に肯定的な作品で、「嫌なことがあった」という愚痴はほとんどありません。
著者の夫についても友人についてもいいところを描いている部分が多いし、ドイツという国の文化を楽しんでいます。
それでいて、「よい夫に愛されている私」とか「異国で頑張っている私」とかそういう自慢っぽさやマウントがなく、あっさりした筆致で語っています。
この人の作品に比べたら私の文章というのはいろいろ気負っているし嫌味かもしれないな、と反省しました。
著者はドイツの語学学校に通いながら在住権を得るためにドイツ語試験に合格しようとします。こういう移住にまつわる制度について紹介してくれる漫画は珍しいので面白かったです。学校におけるカリキュラムや友人関係、テストの内容が具体的に描かれていました。
クリスマスに夫の実家に帰省した回も、その土地の文化が出ていて面白かったです。なぜか夜中に散歩をする話、南ドイツの方言が聞き取れない話、盛り上がりまくる年越しの話、どれも個性的で笑ってしまいました。
語り口はあっさりしていますがネタの数は多く、読みごたえがありました。異文化コミックエッセイが好きな人にはおすすめです。