あらすじ・概要
オタクで引きこもり気質の著者は、日本の漫画が大好き。日本に滞在したときに経験した面白いできごとやカルチャーショック、シンガポールでの引きこもり生活、日本で出版社に持ち込みを試みた日々。内気なシンガポールのオタクの悲喜こもごもなコミックエッセイ。
心が痛むけど救いがあった
割と日本にやってくる海外のオタクの話は積極的で明るいキャラクターの人が多いんですが、著者は大変内気で引きこもり気質です。それゆえに結構暗いシーンも多いです。
特に出版社に持ち込みをしていたくだりは心が痛くなりました。編集者も仕事でやっているから仕方ないんですが、著者が消耗していくのが目に見えてつらいです。
ただ、あとがきで著者自身がその経験を肯定的に捉えているところが救いでした。結論としてはたくましいものでほっとします。
シンガポール人が日本語で描いている漫画なのでせりふが微妙にカタコトっぽく、そこが作品にリアリティを持たせていました。
日本で見たさまざまな文化に感動して、ひとつひとつ喜んでいるところはほほえましかったです。かわいい。
なかなか仕事が得られないようで大変そうだけれど、漫画家になりたいと奮闘する姿は応援したくなります。この本が何かきっかけになるといいですね。