ブックワームのひとりごと

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高校生が学校を舞台にアニメ制作―『映像研には手を出すな!』

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あらすじ・概要

高校1年生の浅草みどりは、お金儲けが好きでマネージャー気質の金森さやか、高校生モデルなのにアニメの作画が好きな水森ツバメとともに、アニメ制作をすることになる。まずは同好会としての予算をもぎ取るため、生徒会の生徒達の前でアニメを上映することになるが……。

 

商業主義を否定しないオタク創作アニメ

珍しいなと思ったのは、この作品は創作活動における商業主義をまったく否定していないんですよね。プロデューサーである金森は、お金儲けや商売が好きで映像研で利益を出すことを目指します。

オタクの創作活動をテーマにした作品って、だいたい「商業主義は悪」となりがちじゃないですか。そうではなくて、作りたいものを作るにはお金が必要だし、作った作品がお金によってあがなわれることは制作者にとっても幸せなのだ、ということがはっきり描かれています。

商業的に作られた作品で「商業主義は悪」のネタやられると「じゃあこの作品をお金出して買ってる私って何……?」となるので、この作品の方針は気持ちよかったです。

 

あらすじは言ってしまえば「面倒くさいオタクが面倒くさい周囲を技術力でねじ伏せる」話で、割とオタクに都合のいい内容ではあります。しかし商業主義の肯定や「ありそう」な失敗を散りばめてリアリティのない世界観やストーリーに一抹の現実味を持たせています。

「ねーよ」と思いつつ「ひょっとしたらあるかも」の部分があるバランスがよかったです。

 

私はアニメにロマンを感じる方ではないので、登場人物のこだわりには「ふーん」という感情が勝ってしまうんですが、金森もいまいちそういうこだわりにロマンを感じないキャラだったので助かりました。

こだわること=気持ち悪いということを認めつつ、それでもこだわりたいのだ、という流れ。ただのオタク礼賛ではないところが好感を持てます。

 

生徒会のキャラクターがあまりよくわからないままなのが残念でしたが、教頭の描写的に彼女らにも裏があるのかなあ。続編があったら見てみたいですね、