あらすじ・概要
夫とふたり暮らしだったが、ある日思い立って子どもを持つことにした著者。妊活の過程から、妊娠初期の不安やホルモンバランス、お腹が大きくになるにつれての困りごとなど、妊娠の過程を詳細に描く。働きながら妊婦でいることは、大変なことばかりで……。
妊娠する予定がなくても面白い
私は結婚する予定も出産する予定もないんですが、それでも面白かったです。この著者の作品は、自分が興味のないことでも読ませる力があると思います。
テキストが多いからちょっと読みづらいところもありますが、その分描写が詳細で情報量が多いです。がっつり「読んだなあ」という達成感のある作品なんですよね。
妊活から出産までのわたわたした感じがテンポよく描かれているので飽きずに読めました。
妊娠したときにホルモン治療が必要になることがあるとか、今時の母親教室には男性が来ることも多いとか、ひとり身の立場ではきっかけがないと知れないことがいろいろ描かれているのも面白かったです。ぱっと見自分とは関係のなさそうな本でも読んでみるものですね。
この世には知らないことがいっぱいあるから、知らないことを面白く描いてくれる人がいることに感謝。
妊娠・出産への夫の理解のなさとか、実家の親がしつこく「まだ生まれないの?」と聞いてくるシーンとか、腹の立つシーンもあるんですが、あくまでコミカルに描かれているので読む側はそこまで深刻にならずに済みます。本人の立場では大変だったと思いますが……。
作風に助けられている部分は大きいですね。
妊娠する予定がなくても、読み物として面白い作品でした。おすすめです。