あらすじ・概要
フリーランスと勤め人の共働きである著者夫婦。彼らは「家事の分担」のために頻繁に会話をして作戦を立て、実行、フィードバックをしている。話し合いながら家事を分担する方法と、お互いストレスを溜めずに生活する工夫を描いたコミックエッセイ。
大事なのは話し合いとシステムのアップデート
帯に「終わらない戦いが今、始まる――」と書かれているんですが読んでみると全然戦っていませんでした。「話し合い」の本でした。
まず著者夫婦が両方話し合いを厭わないタイプで、議事録をつけ夫婦の話し合いを記録し、お互いに住みよい家庭を作るため提案→試行→反省→さらなる提案を繰り返しています。ある意味仕事みたいだ。
価値観の違う人間が協力して「何か」をするとき、どうすればお互い不満がたまらないかという話として見れば家事をしない人にも役に立つと思います。
「なるべくストレスを溜めないように家事を分担する」ためには固定観念から脱却することも必要で、毎週曜日によって食事の献立を固定したり、きれいな家に住むことを諦めて張り紙をたくさん貼ったり、システム面からアプローチしていくところも面白かったです。
「やった」「やらない」だけではなく、やりやすくする、そこに意識を向きやすくする工夫も大事だなと思いました。
しかしこういう関係に至るには夫婦同士の性格も大事で、注意されて逆ギレしない、行動と人格を分けてお願いする、というところが前提だと思います。その前提を持つことが一番難しいんですよね……。