あらすじ・概要
自殺対策に関わってきた清水康之と、貧困対策に関わってきた湯浅誠。政府の貧困政策のこれまでとこれからについて、対談形式で語り合う。政府内部から貧困・自殺の政策を打ち出そうとしてわかったことは、官僚や政治家たちの貧困への理解のなさだった。
政府内部から社会を変えようとするのは大変
タイトルから想像したのとは全く違う内容でした。面白くはありましたが。
著者ふたりは、反貧困の活動をする中で政府と関わることになります。政府中から社会を変えようとしますが、貧困に陥る人々への無理解に苦しみます。
活動家が政府と関わるとき、「政府と関わって牙を抜かれてしまった」ということを言う人はいますが、それだけでは語れないような事情があることがわかります。
地方分権の中で政府の中で改革をしようとしても自治体がついてきてくれないことも多々あります。
福祉の現場にいるはずの自治体職員に、貧困への理解がなく、当事者を傷つけたり排除しようとしてしまう。心が重くなる話でした。
語られていることは厳しい現実ばかりですが、著者ふたりが絶望しておらず、前を向いて活動をしていることは救いです。
陰鬱な話ばかりされても気がめいるので、貧困に対する活動そのものを楽しむ姿勢を持っている人であったことがよかったです。