ブックワームのひとりごと

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『メイプル戦記』川原泉 白泉社文庫

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メイプル戦記 1 (白泉社文庫)

 

あらすじ・概要

とあるお菓子会社の女性社長の思い付きで、結成された女性だけの野球チーム「スイート・メイプルス」。いろいろな事情でメイプルスにやってきた女性たちは、ときに悩みときにのほほんとしながら、優勝への階段を駆け上がる。しかし、シーズン後半でメイプルスは壁にぶち当たる。

 

夢物語なんだから思いっきり夢を見たっていいよね

女性チームが男性だらけのプロ野球で優勝するという夢物語ではありますが、それゆえに面白かったです。

女性がスポーツで男性に拮抗できるというシナリオ自体が現実には無理です。だからこそ、思いっきり抑圧や固定観念から解放される女性を描いた方がいいというのは正しいです。

 

チームには亭主関白すぎる野球選手の夫から逃れて自ら野球選手になった仁科や、男性なのに男性を好きになってしまい、女性として生きることを望んだ瑠璃子がいます。

彼女らは、さまざまな葛藤を抱えながらも、プロ野球を通して自分を抑圧するものと向き合っていきます。

そして彼女らを見つめるチームメイトが優しく、ときに助け合う姿が素晴らしかったですね。

 

一方、古い漫画ではあるので、ジェンダー観が古いところも多いです。同性同士がいちゃついてるシーンをからかったり。そういうところは読者もまねしないでほしいですね。

 

現実にはありえないようなシーンばかりでしたが、だからこそこういう夢物語があっていいと思える漫画でした。