ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

ジェンダー

『魔女狩りのヨーロッパ史』池上俊一 岩波新書 感想

ヨーロッパにおいて悪名高い「魔女狩り」。多くの無実の人々が魔女として告発され、命を落とした。魔女とはどういう人々だったのか、そして魔女を狩った人々はどういう人々なのか。地域差や時代差も踏まえながら、語っていく。 魔女狩りに関する密告は平時の…

『トラウマ』宮地尚子 岩波新書 感想

DV、性加害、いじめやパワハラ、戦争や暴力など、強いストレスによって心身に異常をきたすトラウマ。トラウマを事前に防ぐには、また、トラウマを抱える人々に社会は何ができるのか? 様々な種類のトラウマを取り上げ、そこに宿る差別やジェンダーの問題を深…

『宝塚というユートピア』川崎賢子 岩波新書 男装の麗人たちによる異性愛演劇の過去と今

あらすじ・概要 美麗な少女たちが舞い踊る宝塚。その始まりとは何か。そしてどう変わってきたのか。富国強兵や国威発揚が重んじられた時期の宝塚や、GHQ占領下の宝塚など、その時代によって変容してきた宝塚の過去を語り、未来についても話す。 ユートピアと…

【韓流・炎上CM】ジェンダーに関するおすすめ新書10選【同性愛・結婚退職】

今回はジェンダーに関する新書をまとめました。 『壊れる男たち:セクハラはなぜ繰り返されるのか』金子雅臣 『同性愛と異性愛』風間孝 『ジェンダー格差 実証経済学は何を語るか』牧野百恵 『結婚退職後の私たち:製糸労働者のその後』塩沢美代子 『夫婦幻…

『100人の回答』Netflixで見た。 いろいろな人を集めて実験する番組

あらすじ・概要 番組制作はアメリカのさまざまな人々から100人を選び、多くの実験をする。年齢に対する実験、ジェンダーの実験、人間の持つ偏見、アメとムチについてなどユニークな実験が多数実施される。実験の結果から見えてくる、人間の真実の姿とは。 10…

『壊れる男たち:セクハラはなぜ繰り返されるのか』金子雅臣 岩波新書 感想 労働相談に来たヤバい管理職

あらすじ・概要 セクハラによって「壊れる男たち」。セクハラをする男としない男はどう違うのか。著者は労働相談の仕事をしていたために、セクハラで訴えられた男たちを何人も見た。その醜くあさましい、実例をつづっていく。そして、セクハラをする男をめぐ…

『性と法律――変わったこと、変えたいこと』角田由紀子 岩波新書 感想

あらすじ・概要 日本における男女不平等な法律はどのように改正されたのか。また、今後改正すべき点は何か。女性の権利のために戦ってきた弁護士が、判例を振り返りつつも法の上の女性差別を語る。女性が活躍し、なおかつ理不尽な犯罪にさらされないための法…

『男が介護する―家族のケアの実態と支援の取り組み』津止正敏 中公新書 感想

あらすじ・概要 母、妻を介護しながら生活する男性たち。しかし、介護の仕事は女性中心のため、男性たちはどう介護の情報を共有していいか悩んでいる。介護する男性たちの現状を洗い出し、介護をめぐるジェンダー史も紹介する。また、著者は男性たちのつなが…

『結婚退職後の私たち:製糸労働者のその後』岩波新書 塩沢美代子 組合活動家たちは家庭でどう暮らしていたか

あらすじ・概要 製糸工場で労働組合活動をしていた女性たちはどうしているのか。結婚したきっかけや男性の選び方、結婚生活の具体的な内容などを紹介。労働組合での政治活動は、彼女らのその後に大きな影響を与えた。同時に結婚後の女性の政治参加への悩みや…

『ジェンダー格差 実証経済学は何を語るか』牧野百恵 中公新書 感想 女性について実際のデータで政策を語ろう

あらすじ・概要 日本にあるというジェンダー格差。しかしその対策や、政策は偏見やバイアスに基づいていることもある。女性について正確なデータを集め、データに基づいて女性がもっと活躍できて幸せになれる世界を目指す。日本のジェンダー格差の解消で社会…

『ジェンダー史10講』姫岡とし子 岩波新書 感想 ヨーロッパの性差を振り返ってみる

あらすじ・概要 「男は外で仕事をし、女は家で家事をする」というジェンダー観は当たり前のものではなかった。歴史をひもとくと、女と男の関係は一定でなかったことがわかる。一体いったいいつからジェンダー観は今のようになったのか。家族、仕事、戦争など…

『「自分らしさ」と日本語』中村桃子 ちくまプリマー新書 感想 アイデンティティと偏見、排他をめぐる言葉の話

あらすじ・概要 普段日常生活で何気なく使っている言葉。その言葉には様々な偏見がある。女性の一人称をめぐる社会の偏見や、フィクションに登場する外国人たちの言葉、方言に対するステレオタイプと新たなアイデンティティの付与など、変化していく言葉の姿…

『伝説のお母さん』かねもと KADOKAWA 感想 魔王を封印した魔法使いが仕事復帰に悩む

あらすじ・概要 勇者一行に同行して魔王を封印した魔法使いは、その後家庭を持って子供を出産していた。あるとき魔王が復活し、勇者パーティもふたたび集合する。しかし魔法使いは、子どもと子育てに無理解な夫を抱えて思うように魔法使いとして復帰できない…

『少女革命ウテナ』さいとうちほ 原作:ビーパパス 全5巻 フラワーコミックス 感想

あらすじ・概要 自分を助けてくれた「王子様」にあこがれるウテナは、男装をしてあこがれの王子様に近づこうとしていた。ある日ウテナは、バラの花嫁を巡る「決闘」に巻き込まれる。バラの花嫁として手荒く扱われる姫宮アンシーを不憫に思ったウテナは、彼女…

『ママだって、人間』田房永子 河出書房新社 感想

あらすじ・概要 著者は結婚して子どもを産むこととなる。しかし、世間との「普通」との差に悩む。母乳育児の問題や、妊婦の性生活の問題、無意識に押し付けられているジェンダーの問題など、母親が背負う葛藤を赤裸々に描いた作品。 下ネタが多い妊娠出産実…

ヒプノシスマイク、2.5次元化の中王区のやつ見た感想 ありそうでなかった需要を満たす舞台

あらすじ・概要 女性による革命が起こり女性が政権を取った近未来。日本を支配する政党、言の葉党の蒼棺合歓は新人を教育することとなる。天然で奔放な彼女に振り回される合歓だった。一方で、女性だけの区域中王区でテロが起こる。 かっこいい女性を見たい…

『かさねと昴』山田金鉄 モーニングコミックス 感想 背の高い女装青年と怪人好きの明るい女子の恋愛ドラマ

あらすじ・概要 おもちゃ会社に勤めるかさねは、ある日同僚の昴のおしりを触ってしまう。ぞして、彼が女装趣味であることを知ってしまう。昴の女装がかわいいと思ったかさねは、昴と交流を重ねていく。自分の趣味にコンプレックスがあった昴も、天真爛漫で優…

『お母さんが1番!からの解放「固定観念」と「思い込み」を捨てる!!』てらいまき KADOKAWA 感想

あらすじ・概要 著者、てらいまきは妊娠、出産した。そのとき悩み、また解放されたエピソードをエッセイに描く。妊婦糖尿病で食生活を買えたこと、母乳育児から粉ミルク育児に変更したこと。「お母さんが1番」という価値観を見直し、無理のない育児を目指し…

『ブルーもしくはブルー』山本文緒 角川文庫 感想

あらすじ・概要 夫と冷え切った関係で、お互いに愛人がいる佐々木蒼子。彼女は自分にそっくりな女性、河見蒼子と出会う。彼女と話をするうちに、彼女は自分が選ばなかった相手と結婚したことがわかって……。お互いの立場を羨んだふたりの蒼子は、の立場を交換…

『SFのSは、ステキのS』池澤春菜 早川書房 感想

あらすじ・概要 SF好きの池澤春菜。彼女が日常にSFを見出したり、SFをテーマにしたゲームをやったり、SF関連のコンテストの審査をやったり……。SFの楽しさを伝えながらも、SFが持つ課題点についても語る。SFを読む楽しさと、フィクションをめぐる問題提起があ…

『災害支援に女性の視点を!』竹信三恵子・赤石千衣子編 岩波ブックレット 感想

あらすじ・概要 東日本大震災の被災地で、女性はどう暮らし、どんな困難に直面したのか。実際のトラブル、問題を取り上げ、被災地の女性にどのような助けが必要か考える。女性の問題から、災害弱者の問題も見えてくる。 困難が多い女性の避難所生活が悲しい …

『後宮の薬師 平安なぞとき診療日誌』小田菜摘 PHP文芸文庫 感想

あらすじ・概要 大陸から来た父から薬を学んだ薬師、安瑞蓮は、腕を買われて宮中に上がる。そこで、体の不自由な皇子に出会う。皇子の身体を診ているうちに、瑞蓮は、後宮の女性たちのいざこざや嫉妬に巻き込まれていく 体に障害を持つ皇子をめぐる女性の悲…

『北欧女子オーサ、日本で恋をする』オーサ・イェークストロム KADOKAWA 感想

あらすじ・概要 北欧からやってきたオタク漫画家、オーサは、日本でも恋愛をしてみたいと思う。しかし、日本の恋愛観はスウェーデンとはまったく違うものだった。告白や男性がおごるシステム、家族のあり方などを通して、スウェーデンと日本の性別に対する観…

『そして〈彼〉は〈彼女〉になった 安富教授と困った仲間たち』細川貂々 集英社 感想

あらすじ・概要 女装の東大教授、安冨歩とその相棒である「ふーちゃん」。彼等には抑圧的な親に悩まされ、生きづらさを抱えていたという共通点があった。過去の恋愛や結婚についての違和感を乗り越えて、自分らしい生き方を獲得していくふたりを描いた作品。…

『はじめてのフェミニズム』デボラ・キャメロン ちくまプリマ―新書 感想

あらすじ・概要 フェミニストはなぜ対立し、意見が分かれるのか。フェミニズムの歴史や、それぞれのテーマの意見が分かれる点について、丁寧に解説していく。対立を対立のまま理解し、フェミニズムのこれからを考える、 フェミニズムの抱えるややこしい問題…

『女たちの韓流――韓流ドラマを読み解く』山下英愛 岩波新書 感想

あらすじ・概要 韓国ドラマのストーリーには、フェミニズムやジェンダー観の変遷が現れている。韓流ドラマの大ファンの著者が、韓流ドラマの歴史を追いながら、韓国の女性たちにとっての韓流ドラマを語る。 生き生きとした韓国ドラマとジェンダーの批評 何よ…

『メイプル戦記』川原泉 白泉社文庫

あらすじ・概要 とあるお菓子会社の女性社長の思い付きで、結成された女性だけの野球チーム「スイート・メイプルス」。いろいろな事情でメイプルスにやってきた女性たちは、ときに悩みときにのほほんとしながら、優勝への階段を駆け上がる。しかし、シーズン…

【女性芸術家たちは、自分達の地位を上げるためにプロパガンダを描いた】ETV特集「女たちの戦争画」

あらすじ・概要 戦争中に描かれた『大東亜戦皇国婦女皆働之図』という絵画が保存されている。この絵は当時の女性芸術家たちの合作である。戦争による人手不足によって、女性たちにもチャンスが回ってきた。集まった女性芸術家を率いる長谷川春子は、女性芸術…

アルコールとメンタルヘルスから見る男性のジェンダー―松本俊彦『アルコールとうつ・自殺―「死のトライアングル」を防ぐために』

あらすじ・概要 女性よりも圧倒的に高い男性の自殺率。それにはアルコール依存症、もしくは依存症とは言えないまでも無軌道な飲酒行為が関係していた。アルコールとうつ、そして自殺の関連性を紐解きながら、アルコールと適度に付き合う重要性について語る。…

男性の視点から男性の暴力を阻止するためにできること―多賀太・伊藤公雄・安藤哲也『男性の非暴力宣言 ホワイトリボン・キャンペーン』

あらすじ・概要 性的暴行、DV、セクハラなど、女性はさまざまな暴力にさらされている。しかしそれに異議を唱えるのは、同じ女性ばかりだった。ホワイトリボン・キャンペーンは男性が当事者として男性の暴力に反対し、女性や子どもへの暴力をなくそうと活動す…