ブックワームのひとりごと

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『JK、インドで常識ぶっ壊される』熊谷はるか 河出書房新社 感想

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JK、インドで常識ぶっ壊される

 

あらすじ・概要

家庭の事情でインドに移住することになった著者家族は、インドの文化の違いにカルチャーショックを受ける。インドの宗教や食文化、貧困や犯罪の問題。やがで著者はボランティアサークルに所属し、そこでの活動から社会のと関りや、社会にとって自分は何ができるか考えるようになる。

 

女子高生の見たインドの文化と社会

 

(※なぜか書いたはずの記事が途中で消失してしまい、もう一度書き直しています。中途半端な記事を見てしまった人にはすみません)

 

インドのことを何も知らないまま、インドに移住した著者は、そこで多くのカルチャーショックを受けます。宗教のこと、民族のこと、文化や食生活のこと。著者が紹介するインドは、いわゆるテンプレ的なインドではありません。

一歩外に出れば多様な民族や宗教に属する人たちがいて、しかもそれが数百年にわたって続いている。ある意味インドという国は、多文化の国の最前線にいるのだと感じました。

 

著者は、学校のボランティアサークルに参加したことによって、改めてインドの人々と自分との違いを思い知ることになります。

スラム出身の子どもたちと交流した著者は、最初は何気ない話で盛り上がりますが、彼女らの困っている問題を知ると格差を思い知らされます。

ニコニコ笑って、楽しく話してくれる相手が実は暴力や犯罪、薬物の問題にさらされている。貧困は「いかにも貧乏人」な人々だけが抱えているわけではないと気づかされます。

著者が自分の無力を知りながらも、何かできることはないかと筆を執り、この本を書いた行為を、私は尊重したいです。