ブックワームのひとりごと

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『さよなら、子ども虐待』細川貂々・今一生 創元社 感想

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さよなら、子ども虐待

 

あらすじ・概要

日本における子ども虐待は減ってはいない。子どものために何ができるのか。核家族化し、閉鎖的になる現代の家庭で、虐待を防ぐ対策について考える。親、子ども、地域社会が虐待をせず幸せに暮らせる世界を目指す。

 

まんがでわかる子ども虐待

コミックエッセイというより、著者が聞き手となって子ども虐待について学ぶ本です。ダイジェストではありますが、子ども虐待についてまとまっている本でした。

 

殴る、暴言を吐く、ネグレクトをするなど、わかりやすい虐待も多いですが、精神的な虐待は対応が難しく、問題も表面化しにくいです。

親が特定の進路を強いる教育虐待、ヤングケアラーの問題、子どもの価値観を否定してコントロールしてしまう親の存在など、課題が多いです。

 

一方で、虐待をしてしまった親にも、社会からの孤立という悩みを抱えている人が多いです。虐待を重篤化させないために、虐待をする前の段階で親にアプローチするのが大切だと著者は説きます。

 

「もし子どもに虐待をしてしまったら、子どもに謝ってほしい」というくだりが胸に苦かったです。どうしようもない過ちこそ、謝るのがつらくなります。許してもらえなきかもしれないと思うと、子どもへ謝るのはつらいです。それでも大人が乗り越えなければならない壁なのでしょう。