あらすじ・概要
東日本大震災によって被災した漫画家・イラストレーターのアベナオミ。幸運にも家族全員が生き延びた彼女は、日々の生活に防災を取り入れるようになる。防災に役立つグッズや習慣、防災にまつわるコミックエッセイを収録。
自分が助かることによって他人を助ける
コミックエッセイと文字のエッセイが混じりあっているような本です。今日から始められる内容が多く、参考になりました。
コミックエッセイのパートでは、実際に著者が東日本大震災で被災した状況が語られます。幸運なことに、著者の家族は全員無事でした。家も無事で避難所に行かずに済みます。
しかし、津波の映像を見た著者は焦って海側の地域で夫を探そうとします。結局夫は自力で帰って来ますが、探しに行こうとして津波に巻き込まれる可能性があったとしたらぞっとします。
また、地震発生直後は水不足に苦しみ、もっと備蓄をしておけばよかったと後悔したり、食料を求めて右往左往したり、当事者にしか書けない内容が面白かったです。
その他、著者が不安のあまり過剰な防災をしていたときの頃の話、熊本地震で活躍した保育所のことがコミックになっています。
文字部分は防犯のアイデアです。スケールが大きいものではなく小さい一歩から始められるものが多いのがよかったです。
著者は普段からランタン、懐中電灯、光るおもちゃ、野外用のソーラーライトなど、光るものを集めています。ろうそく用のランタンは、普段はオブジェや飾りとして使います。
重たいものを上に置くときは落下防止シートをつけるのも、面倒くさくて地味にサボりがちなことです。こういう細かいこともやっておかないと。
「あなたが助かれば、危機が迫っている他の人が助かる」という言葉にはっとしました。自分の命なんてどうでもいいと思っていたとしても、他の人の命が自分にかかっている場合はそうは言っていられません。本当に困っている人に支援を行きわたらせるために、健康な人間は自力で助かった方がいいです。
自分が災害時に適切に行動ができるかはわかりませんが、できるだけ普段から心がけたいと思いました。