あらすじ・概要
強い健康被害をもたらす鉱物、アスベスト。しかしその便利さから、危険性が判明した後も使用され続けてきた。神戸における阪神・淡路大震災にともなうアスベスト被害を中心に、アスベスト災害への反省とこれからすべきことを考える。
アスベストをめぐる労働者への軽視
阪神・淡路大震災の神戸におけるアスベスト被害について書かれています。なんとなく体に悪い物質ということはわかっていましたが、対応が後手後手に回っているのが何とも言えないですね。
アスベストの危険性を知りながら、その説明や防塵対策をせずに現場へ送り込む側のずさんさ。
神戸だけではなく、世界同時多発テロで崩れたビルの下でもアスベスト被害が出ていました。緊急時だから、と言っても、健康被害を受けた人の慰めにはならないでしょう。
肉体労働をする人たちへの軽視が存在するのではないかと思います。たとえばアスベスト災害に巻き込まれた人が、インテリでオフィスで働いていたら、こんな報道のされ方をするでしょうか?
肉体労働の人は危険な場所で働いて当たり前であり、危険性を減らすための努力はしなくていい、という侮りが透けて見える気がします。
ともあれ起こったことより、起こったことを踏まえて今後何をするか考えるのが大事だと思います。いまだ日本に残るアスベストをどう処理するか。そしてアスベストの規制がきちんと行われていない一部の国についてどうするか、話し合わなければなりません。