あらすじ・概要
危機的状況にある気候崩壊。その原因である地球温暖化についての解説と、これから社会が何をすべきかを語っていく。高校生たちからの質問も交え、世代を超えた環境問題についての議論を試みる。
先進国が輩出した温室効果ガスの影響を発展途上国が負うという矛盾
読んでいて思ったのは、メディアで扱われている地球温暖化の問題は表面的であるということです。
温室効果ガスで温暖化しているということはわかっていても、現代において、温暖化がどんな危機的状況を生み出しているかは報道が足りないと感じました。
そして、メディアが伝える温暖化の問題はかなりふわっとしています。
そして、温室効果ガス削減を個人の努力に頼っても限界があり、国や企業などの大きなくくりで努力しなければならないと主張します。
個人てはなく団体として地球温暖化を考えなければいけません。もちろんそれを促すには個人が情報を伝えるのも大事ですが、個人の努力の問題のように扱ってはならないのだなと思いました。
そもそも温室効果ガスの多くを輩出したのはいわゆる先進国なのに、そのとばっちりを受けるのは発展途上国の人々である、というやるせなさがあります。
土地の低いところ、地盤がしっかりしていないところに住む人たちは、貧しいことが多いです。これは海外だけではなく、日本でもそうです。大阪でも神戸でも、高台の土地がしっかりしたところにお金持ちが住んでいます。
そういう人たちが気候変動による激しい洪水の被害を受けるのは、理不尽です。
環境破壊を通して、先進国と発展途上国の格差を感じる本でした。