ブックワームのひとりごと

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『ピンポン』松本大洋 ビッグコミックス 感想

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ピンポン(1) (ビッグコミックス)

 

あらすじ・概要

卓球部に所属するペコとスマイルは古くからの友人。しかし、スマイルが卓球の才能を見出され、ペコが慢心により選手としての能力を失ったことから、ふたりの間には距離ができる。一念発起してふたたび卓球に向き合うペコを、スマイルは頂点で待ち受ける。

 

スマイルの不器用さや愛情深さにグッとくる

アニメを見たので久しぶりに読み返したくなりました。何度もメディアミックスしたくなるのもわかる面白さです。

 

メディアミックスに関する感想はこちら。

honkuimusi.hatenablog.com

 

honkuimusi.hatenablog.com

 

 

 

ペコは才能ある選手でしたが、傲りにより堕落し、二流の選手に成り下がってしまいます。一方スマイルは適切なトレーニングを受けてめきめきと頭角を現していきます。

ペコがヒーローとして凱旋することを切望し、頂点で彼を待つスマイルがかっこよかったです。

 

くらくらするような戦いの快楽を描くその一方で、第一線を退いた人々も普通に暮らしているのが面白かったです。スポーツは楽しいけれど、全てではない。そこが安心しました。

将来のスマイルたちは少年時代に下された評価とは違った人生を生きていて、底が逆に自由でしたね。

 

スマイルは少々自分を表現するのが苦手なだけで、自分に優しくしたり気にかけてくれたりする人が好きなんだな、とわかります。

ペコのことを親友だと思っているのも、ペコがスマイルを忌避したりせず素直に友達として扱ってくれるからでしょう。

屈折しているように思えて、素直で直球な愛情のようにも見えます。

最終的には「みんな楽しそうでよかった」となる漫画でしたね。