あらすじ・概要
若いころ漫画家をしていた著者は、50代になり、自分の老いに直面する。体力の衰えや、視力の衰え、記憶力の減衰など。変わっていく自分に戸惑いながらも、少しずつ受容していく。一方で、絵の仕事を改めて始めたり、剣道を始めたり、新しいことにもチャレンジする。
あっさりしているけれど老いの受容がよかった
当たり前のことしか描いてはいないですが、これはこれであっさりしていて面白かったです。
視力の低下、体力の低下、要望の変化など、著者はさまざまな老化の現実に直面します。それに対して、著者は今までの価値観を少しずつ変えていきます。
人生の先輩が、衰えに直面しながらも、自分と向き合っていくのは、まだ若い私にとっても救いではありました。
衰えていくのはどうしようもないけれど、それでも楽しめることは楽しみたいと思います。
年を取ることで他人に寛容になれた、というくだりも、そういう人間であれればいいなと思いました。頑なになってしまうことに不安はありますが、老いることで柔らかくなれることもあるのかもしれないです。
著者が作中で、絵の仕事を改めて始めたり、剣道を始めたりしたのがよかったです。
年を取ることによって、今までできたことができなくなっていきます。それは楽しいことではありません。それでも今の状況を受け入れ、新しいことを始めるのはきっと無駄なことではないはずです。