あらすじ・概要
女子校に通っていた漫画家たち。彼女らが女子校に通っていたころを回想し、コミックエッセイに書き残す。女子校に通っていてよかったこと、困ったこと、女子校にしかない文化など、女子校の世界を楽しく紹介する。
女子校を巡るいいこと悪いことのアンソロジー
女子校をめくるコミックエッセイアンソロジー。いろいろな漫画家の女子校への思いが見られます。
著者たちの女子校への思いはさまざま。杓子定規ではない自由なエッセイが楽しかったです。礼賛一辺倒ではなく、女子としか関わらなかった弊害をテーマにしている話もあります。特定のも野を無条件によいとする状況はあまり好きではないので、そこはよかったです。
まずりんは、女子校をドロップアウトして大検を取るために予備校に通います。始めて男性と出会うわけですが、一見ガラの悪そうな男性たちと友情を築いていきます。退学してからの展開が独特で面白かったです。
田房永子は、女子校にまつわる性加害の問題について扱っていました。私も痴漢にはあったことはありますが、ここまで露骨なのはひどいです。若い女の子たちが性加害と無縁であれればいいんですけどね。
おまけとして女子校にまつわる漫画の紹介があるのですが、電子書籍ありとか絶版とか書いてあるのが親切です。電子書籍があるってわかるとだいぶ手間がはぶけますからね。
違いを持った人々が意見を言い合うときそこに政治が生まれる―宇野重規『未来をはじめる:「人と一緒にいること」の政治学』