『オカマだけどOLやってます 完全版』を読みました。
完全にタイトルに釣られましたね……。
書籍概要
男だけど女の格好をする「オカマ」である著者。彼女は普通に女として会社勤めをしています。恋愛のこと、過去の体験、OLとして生活する不便さなど、ゆるい語り口でオカマの日常を描いたイラスト付きエッセイ。
世界は思った以上に多様かもしれない
セクシャルマイノリティについての文章を読むとよく言及されてるのが「多様性」で、だいたい多様性を重んじて生きていこうというオチになっていることが多いです。
しかしこの本を読んでいると、「もしかして、みんな気づいていないだけですでに社会は多様なのでは」と思えてきました。もちろん多様性を勝ち取るべく戦わなければいけない場面もあるでしょうが……著者のようにさらっとゆるーく生きている性的マイノリティというのもいるんですよね。
一方で「社会保険でばれるから正社員では働けない」「女性より綺麗と言われると逆にむかつく」という著者でしかできない苦労話もあって興味深かったです。
基本的にゆるくて明るい話なので、「世の中にはいろんな人がいるんだなあ……」としみじみ感心しながら読みました。気楽に読めて、自分とは違う人の生活を垣間見える良エッセイでした。
まとめ
カルチャーショックを受けましたが、これはこれで画期的なエッセイかもしれません。
ゆるくてシリアスになりすぎないところが読みやすくてありがたかったです。