『約束された場所で underground2』を読みました。
『アンダーグラウンド』の続編ということで読んだ本です。
書籍概要
大規模な地下鉄テロを起こした「オウム真理教」。内部の人間は、オウムをどのように思っていたのか。そして、信者の側から見た地下鉄サリン事件はどのようなものだったのか。インタビューを通してもう一つの「underground」を見るノンフィクション。
ごく普通の人がカルト宗教を作り出す
読んでいて思うのは、信者の人たちはすごく特別というわけではないということです。ちゃんと会社勤めをして、友達がいた人がほとんどです。だけど何か人生に物足りないものを感じていて、答えを求めています。
だけども実際の社会は複雑怪奇で、簡単に答えは見つからないです。オウムにはまったひとたちの共通点として、論理的であるあまりに混沌とした社会を受け入れられなかったというのがあると思います。
著者が言っているように、「本当の愛とは何か、幸せとは何か」と問うことそのものはぜんぜん悪いことではないんですよね。むしろ人間らしい悩みだと言えます。ただ、その答えを教祖という他人に預けてしまうと、恐ろしいことになるのだな……と感じました。
私はこうして文章を書くことによって自分の意見を語り、それを通して自分の足りないものを補おうとしているところがあるんですが、そういう自己表現の場を持たなければこういうものに引っかかっていたかもしれないな、と思うと怖くなりました。
怖いけれど、カルト宗教が求められてしまう理由を少し垣間見た気がします。
カルト宗教にしか居場所がない人たちをどうするか、というのも難しい問題ですね。