ブックワームのひとりごと

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謎の少女がいじめられっ子の隣に引っ越して来る ヨン・アイヴィテ・リンドグヴィスト 『MORSE モールス 上』感想

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MORSE〈上〉―モールス (ハヤカワ文庫NV)

吸血鬼小説を探していて、Yahoo知恵袋の似たような質問に載っていた作品を入手しました。

しかし日本の小説はあまり上がってなかったですね。あるにはあるんでしょうが。

 

あらすじ

いじめられている少年、オスカルの隣に引っ越してきたエリ。オスカルは神秘的な彼女と友達になっていく。一方で、オスカルの周囲で残虐な連続殺人が発生する。果たして彼女は何者なのか……。

 

ロリババアの業

この作品は吸血鬼もので、「ロリババアだから倫理的には問題ないよね」っていう展開があります。

よくある展開ですが、実際にリアリティのある作品として書かれると悪趣味この上ないですね。興味本位だけど、本物のロリコンの人が読んだらどういう感想を持つのか気になります。

加えて、外国人差別や偏見にまつわるシーンが多いのが興味深かったです。こういうシーンを入れるのは日本ではあまりないですよね。この部分もなかなか生々しいですが、作品にリアリティを持たせていると思います。

それだけスウェーデンでは差別が身近な話題なのかもしれません。

 

美しいシーンと醜いシーンのギャップ

そんな生々しい世界だからこそ、エリの儚い美しさが光ります。彼女もモンスターではあります。しかしどこか悲哀があって嫌いになりきれません。

孤独な子ども二人が身を寄せ合う、という話は王道ですが、何度読んでもいいものです。

ただ吸血鬼ものなので、この関係はいつか終わってしまうんだろうなと思います。終わりのことを考えると今から悲しいですね。エリとオスカルの関係がどういう結末を迎えるのか、下巻が楽しみです。

やっぱり吸血鬼ものにはこの手の悲哀があってこそ楽しいです。

 

まとめ

生々しいホラー展開の中で、エリと言う少女の儚さが光る話でした。

これからどうなるのか楽しみです。

 

MORSE〈上〉―モールス (ハヤカワ文庫NV)

MORSE〈上〉―モールス (ハヤカワ文庫NV)

 
MORSE〈下〉―モールス (ハヤカワ文庫NV)

MORSE〈下〉―モールス (ハヤカワ文庫NV)