あらすじ・概要
YouTubeで公開されている著作権フリーの怪談シリーズ「禍話」。それらの怪談をコミカライズ。肝試しをしたことで見た不気味なもの、理不尽な死を迎えた友人の呪い、奇妙なバイトでの恐怖など、さまざまな怪談を収録。
丁寧で怖いコミカライズ
コミカライズだからどうなのだろう、と思っていましたが、装丁よりも面白かったです。
禍話とは、YouTubeチャンネル上で語られているフリー素材の怪談のこと。ホラー好きな人の中で有名なので名前は知っていましたが、触れるのは初めてです。
作画担当の絵や語り口がうまく、ぐいぐい引き込まれる内容でした。絵柄はさらっとしていますが、その分恐ろしいシーンの生々しさを感じます。
一番怖かったのは友人が酒の席で急死し、その場にいた人たちが呪われる話ですね。因果応報の話ではありますが、その因果応報の手段が底知れない恐ろしさがあります。怪異である本人は淡々としているのがまた怖いです。
作者がいちファンだったときに描いたという「アイスの森」も怖かったです。アイスの棒とお墓を結びつける文脈がわからないと怖さが半減しそうです。日本独特の怪談ではないでしょうか。よその国ではアイスの棒を墓標とすることがあるのでしょうか……?
怖いけれどさくさく読める長さで、気分転換にいい漫画です。