ブックワームのひとりごと

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謎のドイツ人女性がモーテルで周りを変えていく 『バグダット・カフェ』感想

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バグダッド・カフェ 完全版 [DVD]

dtvで見れる作品のおすすめにあった映画です。

dtvページ『バグダット・カフェ』

 

あらすじ

アメリカの田舎の、カフェ兼モーテルに、ドイツ人の女性がひとりでやってくる。何か訳ありらしい彼女は、カフェの人々を少しずつ変えていった。彼女を怪しんでいたモーテルの女主人も、次第に心を開き始め……。

 

淡々とした映画

目だった起伏がなく、とても淡々とした映画なので、話の面白さを求める人にはおすすめできないかもしれません。

しかし、そんな淡々とした時間の流れの中で、異邦人を受け入れていくカフェの面々がいとおしく感じられました。

ドイツ人のジャスミンが来たことによって、うまくかみ合っていなかった歯車が正され、生活が回り始めた感じがします。もともと彼らには幸せになる素質があって、ジャスミンはきっかけにすぎないのだなと思いました。

派手なところはないけれど、見ていて安心するような映画でした。過激な描写もないので、誰かと一緒に見るのにもいい作品だと思います。

 

美しくないけれど美しい

それから個人的に好きなのは、登場人物がそんなに美人ではないところです。美形もいるにはいるけれど、そこが本題でないところがよかったです。

役者たちが上手に「どこかにいそうな誰か」になっていて、そのおかげで話に入り込みやすかったです。たぶん別の作品ではもっときれいに装っているのでしょうけれど。

この話は、登場人物が美人だと魅力がだいぶ減ってしまう気がしますね。

その分ビジュアルが地味にはなっているけれど、しっかり見ていくと、1つ1つのシーンが絵のようでとても美しいです。きちんとキャラや舞台を作品として見せようとしている意思を感じました。

美しくないけれど美しい、そんな映画でした。

 

まとめ

起伏が少ない映画なので、「面白い」とは言い難い映画でした。

けれど何気ないシーンや会話が印象的で、見てよかったと思える作品でした。優しい気持ちになれる映画です。