ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

カラスを連れた少年が治療の依頼にやってくる 椎名蓮月『あやかし双子のお医者さん三 烏天狗と押しかけ弟子』感想

このブログには広告・アフィリエイトのリンクが含まれます。

あやかし双子のお医者さん 三 烏天狗と押しかけ弟子 (富士見L文庫)

ふらっと本屋さんに入ったらあったので、最新刊まで買いました。リアルタイムでシリーズを追いかけるのは久しぶりかもしれません。

 

あらすじ

あやかしを癒す男性に弟子入りした莉莉。年明けごろ、白いカラスを連れた少年がやってきた。彼は烏天狗のあやかしを癒してほしいと頼むが、その病気の正体は呪いであるらしく、一筋縄ではいかない。

 

反感を持つのが人間らしくて好き

今回よかったのは、莉莉がカラスを連れてきた少年、靫正に少し反感を持っていたことですね。

基本的にいい子ではありますが、微妙にいらっとくる物言いをしてくる靫正と、それにひっかかりはするものの実力行使には絶対に出ないという莉莉、という構図が好きでした。

この作品のキャラクターのほとんどは、善意の人なのだけれど、それでもネガティブな感情を持つことはあるし、誰かに対して嫌だと思うことがあります。そういう部分がリアリティがあって好きです。

そして嫌だと感じても、靫正を邪険に扱わない莉莉は大人だと思います。私が莉莉の立場だったら大人げなく怒ってしまうかもしれません。

 

信頼していたら手を放してもいい

今回は、それぞれのキャラクターが人間とあやかしの距離感を考えなおした巻でした。

「いつまでも一緒にいる」とはどういうことなのか。一緒にいることで何を背負うのか。考えていることは、それぞれの組み合わせによって違います。

答えはひとつではないけれど、自分と相手のことを振り返って考えてみるキャラクターたちは真面目だと思いました。

晴と嵐の関係の伏線も入っていて、今後どうなるのか気になります。やっぱりあの関係は、周りから見て不健全なんですね。

その不健全な関係のまま開き直って進むのか、あるいは何か転機があるのか。今後の物語の重要なキーになりそうです。

 

まとめ

莉莉が苦手意識を示したことがよかった、というのも変な感想ですが、善意だけで周っているわけではないところが好きです。

続きもぼちぼち読んでいきたいと思います。

あやかし双子のお医者さん ライトノベル 1-4巻

あやかし双子のお医者さん ライトノベル 1-4巻