ちょっと毎日更新が崩れてすみません。ばたばたしているのでまた崩れるかも……。
今日の更新は、椎名蓮月『あやかし双子のお医者さん六』です。
今までの記事はこちら。
無駄のない設定と人物描写であやかしとの交流を描く 椎名蓮月『あやかし双子のお医者さん一 ばけねこと鈴の記憶』感想
「いい話」の中に違和感を感じる巻 椎名蓮月『あやかし双子のお医者さん二 付喪神と千羽鶴の願い』感想
カラスを連れた少年が治療の依頼にやってくる 椎名蓮月『あやかし双子のお医者さん三 烏天狗と押しかけ弟子』感想
蔵で見つけた妖刀が使ってくれと要望してくる 椎名蓮月『あやかし双子のお医者さん四 妖刀と孤独な術者』感想
だめ人間がだめ人間に説得される回 椎名蓮月『あやかし双子のお医者さん五 幽霊と邂逅の半身』感想
あらすじ
あやかしの医者である晴に弟子入りしている莉莉。彼女は下級生の夏生(なつき)にしつこく付きまとわれるようになる。迷惑に思う一方で、彼にはどこかあやかしじみたところがあった。
それぞれの執着、大丈夫かな
印象的だったのが、「夏生が晴の家に顔を出してもいい」と言ったあとの晴の言葉。
「人間が生きていく上で、楽しめることや、一緒にいられてうれしいと思える相手は、複数あったり、いたほうがいい。ひとつしかないと、失ったときの絶望が大きくなる」
(P105)
なるほどなと思う一方で、晴にとってはとんでもないブーメラン発言だな? と思いました。嵐を手元に置いておくのは晴の執着じみたところがありますからね。
晴以外でも、メインキャラクターたちは結びつきが強すぎて心配になるところがあるので、今後その結びつきが悪いほうに向かないかひやひやします。
晴と嵐の家にやってくるキャラクターが増えて、それぞれの執着がマイルドになってくれればいいんですが。
だんだんストーカーじみてくる夏生は怖かったです。本当に若いうちに気づけて良かったです。
この話に限ったことではないんですけど、ストーカーって悪気はまったくないんですよね……。好きだったらこのくらいしていいと思っているので。
まだまだ未熟なところが多いキャラですが、周りがサポートしてあげることで道を踏み外さないでいてくれるといいですね。
まとめ
夏生の行動にはひやっとさせられましたが、それを含めて面白かったです。
莉莉はいろいろ大変だろうけれど、しっかり頑張ってほしいですね。
あやかし双子のお医者さん 六 雪女と遠い日の約束 (富士見L文庫)
- 作者: 椎名蓮月,新井テル子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/06/15
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