今日の更新は、長沼睦夫『活かそう! 発達障害脳』です。
あらすじ
日常の困りごとが多い発達障害。なぜ、うまくいかないのか……。著者の長沼睦雄は、脳と無意識から発達障害にアプローチする。花風社の浅見淳子を聞き手に、対談形式で発達障害を語る本。
発達障害者が「脳を鍛える」には
やわらかい表紙と語り口とは裏腹に結構難しかったです。脳について科学的な説明が多く、予備知識のない身としては一読ではわかりにくかったです。
しかし情報はどれも興味深いものでした。運動が苦手、自律神経が乱れやすいという発達障害の特性は、脳のバランスの悪さから来ています。精神障害と言われがちだけれど、実際は脳の不具合なんですね。
その「脳の不具合」は、得意なことで不得意なことを補い、脳を鍛えることによって改善すると著者は説きます。
まん丸のボールのような整った脳機能を持っている人はいないのではないでしょうか。(中略)でも弱みの陰には必ず強い部分があって、健康な人というのは自然にそこを活かして弱い部分を補って生活しているものなのです。
(P89)
こういうことを読むと文章を読むという趣味があってよかったです。私の困りごとはかなり言語能力で補われているところが多いです。わからないことがあればまず本を読んで調べてみる。その行動がいつも私を助けてくれました。
また、与えられた情報や状況から、「こうすればどうかな?」と考え、言葉に出したり実行に移すフィードバックも重要です。それこそが脳を育てる行動だそうです。
これはなるほどなあと納得しました。私がこうやってブログを書いているのも一種のフィードバックだし、知ったことを実際に試してみるのもフィードバック。
与えられた情報を脳内で処理して形にしていく過程で、脳が鍛えられていく。それは実感としてありますね。
しかし書籍のタイトルは「障害」なのになぜ本文は「障がい」なのか。こういうのムズムズするからそろえてほしいです。
まとめ
面白かったけれどかなり難しかったので、関連書籍があれば確認のために読んでみたいです。
まずは巻末の「本書に登場する本」をあたってみようかな。