あらすじ・概要
大人になってから発達障害に気づいた著者。彼女は自身の人生を振り返る。空気をうまく読めなかったこと、人の意見を真に受けすぎていたこと……著者の近くの発達障害の人々も紹介し、発達障害の人々の悩みを考える。
相手が言葉を真に受けるからってからかってやるなよ
成長の段階に沿って、著者の過去が語られます。
4コマなのでボリュームが多く、たくさんエピソードが読めるのもよかったです。
淡々としつつ、善悪織り混ぜた内容でしたが、著者らしい作風でよかったです。メッセージが明確な話より、こういう内容の方が著者に合っていると思いました。
著者の周りの発達障害の人々についても語られます。
伴侶に発達障害の診断を受けてほしいと頼まれた人、牧場で働く人、家族に発達障害がいる人。
それぞれの事情、それぞれの感情があって面白かったです。
読んでいると、素直すぎる人は人に騙されやすいと感じます。
著者が善人かというとそうではありません。しかし空気が読めないことを理由にからかったり、だましたりするのはよくないです。
周囲の理解がどうというより、隙あらば人をからかおうとしてくる人はだめですね。
私自身のことも思い出して、恥ずかしいような苦しいような気持ちになりました。
ただ私は、「発達障害は病気ではない」という言葉には否定的です。本人が困っていて、医療行為によってその困り事が解決する可能性があれば、やってみた方がいいと思うからです。
もちろん医学は万能ではありませんが、「個性だから大事にしよう」という態度が本人を苦しめる可能性もあります。