ブックワームのひとりごと

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気持ち悪い欲望をなぜ手放してはならないのか―『さらざんまい』

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今日の更新は、『さらざんまい』です。

 

あらすじ

一稀(かずき)、燕太、悠(とおい)の三人は、ケッピという謎のカッパにカッパにされてしまう。欲望から生まれたカパゾンビの尻子玉を抜いて倒すと、銀の皿がもらえ、願いを叶えられるという。三人はそれぞれの願いを胸に「さらざんまい」を行う。

 

 愛は欲望と表裏一体である

この作品の好きなところは、「欲望を気持ち悪いもの」として描いた部分です。

一稀が好きなあまりにリコーダー舐めたり服のにおいをかいだりする燕太(性犯罪)、変わってしまったマブのことを厭いつつ彼への情欲を捨てきれないレオ、そして弟の春河に許されたいあまり女装をする一稀。

うわあ、気持ち悪い……。

そういう気持ち悪い感情の一方で、アニメを見進めていくと、彼らが本当に相手を大切に思っていることがわかるんですよね。

どうしようもなく恥をかいて、プライドを失ったあとも、登場人物たちはだれかを愛している。

おそらくこの作品は欲望を無条件に肯定しているわけではないと思います。そうでなければカパゾンビをああいう恥ずかしい存在にしなかったでしょう。それでも「欲望を手放すな」と言うのは、それが愛と表裏一体だからなんじゃないかなと思います。

愛あるところに欲望はある。だから欲望を手放してはならない。

尻子玉を抜くシーンとか、キュウリとか、メタファーっぽい下ネタ前回なところも、この「欲望の気持ち悪さ」を示すためだったのではないかなあ、と考えています。

 

この作品の「つながれない」の対になる言葉は、「つながれる」じゃなくて「つながりたい」なのだと思います。

つながりたいと思ってもつながれるかはわからない。ひょっとしたら悲劇的な結末のまま終わってしまうかもしれない。けれど、「つながりたい」と願うものだけが道を開くことができる。

過酷で少しさびしいけれど、すごくさわやかなハッピーエンドでした。この終わり方大好き。

 

レオとマブはTwitter連動企画があったらしくて、消滅する前にフォローしておけばよかったなと後悔。

レオとマブ本当にすごかった。ブログをご覧頂いたらわかるように、私はそんなにBL好きなタイプじゃないんですが、レオとマブに関しては「男同士のヤバい関係性を見せてやるぜ!」という製作者の熱烈な技術と感情に負けました。こんなことってある?

彼らに関しては詳しく知らないほうがアニメを楽しめると思うので書きませんが、もうとにかくヤバいですよ。

 

まとめ

全体的に直球でBLなのでそれが無理な人にはおすすめしませんが、平気なら一度見てみてほしいです。

 つらいことも悲しいこともたくさんあるけれど、そこで生き抜くための希望を歌い上げる作品でした。