ブックワームのひとりごと

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絶望する少年少女が一部屋に集う―十文字青『絶望同盟』

絶望同盟 (一迅社文庫)

今日の更新は、十文字青『絶望同盟』です。

広告会社にBANされないか若干心配になる表紙だな……。

 

あらすじ

ロリコンである当麻ネンジは、それゆえに将来を悲観していた。そんな折、高校生なのに女子小学生のような容姿をした子を見つけ……。絶望しながら部屋に集う若者たちの学園連作短編集。

 

ストーリーが説明しづらいぐだぐださがいい

ストーリーが説明しづらい話です。絶望を抱える少年少女が部屋に集って、ぐだぐだしたり話したりするだけ。以上。

ただ、それでもなぜか面白いんですよね。

ロリコンや同性愛、家族関係など、さまざまな要因で絶望している生徒たち。彼らがちょっとした、けれど彼らにとっては重要なできごとを経験する。それがちょっと皮肉な文章で描かれています。

それぞれの結末を迎えたからと言って彼らはそれほど変わりません。変わらないところが何だかゆるい。

この、どこかはすに構えた感じは嫌いではないです。若いころに読んでいればもっと好きだったかもしれません。

 

重大なできごとも、大きな心の変化もほとんどないので、とても感想が書きにくい作品です。

ラストの唐突さにはちょっと笑ってしまいました。でもこの作品らしいエンディングだったと思います。このくらい「何やってんだよ」という終わり方のほうが作品に合っています。

彼らはこれからも絶望し続けるだろうけれど、「仲間」のようなものができてよかったね、と思った終わり方でした。

 

まとめ

本当に説明のしづらい作品なんですが、私は好きです。読んでみてよかったです。

こういうだらだらした作品も、たまに読むと面白いですね。