今日の更新は、池上俊一『王様でたどるイギリス史』です。
あらすじ・概要
現在は立憲君主制の国イギリス。その王家はいつからあるのか、どのような歴史をたどってきたのか。アングロ・サクソンの時代から、現在のエリザベス女王の御代まで、イギリスの国王と民衆との関係を解説する。
王様とイギリスと民衆の関係
「王家を中心としたイギリス史ダイジェスト」といった感じで、アングロ・サクソンから現代までのイギリスの歴史がざっくりわかります。
改めてイギリス史を俯瞰してみると予想以上に血なまぐさいですね。中世はもちろん、現代に近くなっても好戦的な文化が強かったようです。王も軍人として、総大将としての立ち位置が強かったみたいで、シャーマン王である日本の天皇家とは全然違います。(明治~昭和の戦争時には、天皇も軍人王みたいなところがありましたけど)
一方で、イギリスでは王権に対して絶え間ない闘争が行われています。ジョン欠地王に突き付けたマグナ・カルタに始まって、王を処刑したピューリタン革命、そして議院内閣制へ。君主制を維持しつつ、血なまぐさい歴史を潜り抜けつつも民主制に移行していったのは、イギリス人の闘争性ゆえなのかもしれません。
イギリスは君主制を必要としている、が、それは絶対ではない、という歴史が面白かったです。
子ども向けレーベルでありながら辛辣な部分は辛辣。相変わらず岩波は容赦をしないですね。
わかりやすく書かれてはいますが情報量は多いので、大人でも楽しめる一冊です。
『王様でたどるイギリス史』まとめ
イギリスの歴史をざっくりつかむのにはいいと思います。歴史初心者には読みやすいのではないでしょうか。
あと王室に興味がある人にもおすすめです! 個性豊かな「王様」がどんどん出てきて面白いです。