ブックワームのひとりごと

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結婚式の準備をしながら暗殺阻止―長月遥『花冠の王国の花嫌い姫6 祝福の赤薔薇』

花冠の王国の花嫌い姫 祝福の赤薔薇 (ビーズログ文庫)

今日の更新は、長月遥『花冠の王国の花嫌い姫6 祝福の赤薔薇』です。

 

あらすじ・概要

大砂漠帝国皇帝と離縁し、晴れて正式に結婚することになったイスカとフローレンス。しかしそこで、正教会の聖王アリオンの暗殺計画が持ち上がる。アリオンを救うため、正教会に戦争の口実を持たせないため、イスカとフローレンスは暗殺阻止に立ち上がる。

 

少年の成長を促すのが倫理観高い

晴れて結婚式。よかったね! と言いたいところですが、そうは問屋が卸さないところがこのシリーズらしいですね。結婚式の準備と並行して、進行する暗殺阻止の計画。そして、「アリオンに正教会の傀儡から脱してもらおう大作戦」。

国益のためももちろんありますが、アリオン自身の将来的な成長のために自立を促す展開というのが、倫理観高くていいですよね。陰謀ものなのにさわやかに読めます。

 

最終巻だけあって恋愛シーンも多く、これまでのもだもだを見守ってきた身としては感慨深かったです。

これからもいろいろ波乱はあるだろうけれど、イスカとフローレンスのコンビなら乗り越えられるだろうと安心して読み終えることができました。

 

◎ここからネタバレ◎

 

ここまで丁々発止のやりとりや、バトルシーンがあるのにメインの登場人物は全員死なないところがすごいですよね。名もなき兵士は少し死んでいますが、それでも被害は少ないです。

しかもそれがストーリーの中で違和感がありません。優しい世界だけれど、優しさにもちゃんと背景や理由が説明されています。

 

それから正教会も安易に悪役にするのではなく、それを支えにしている人たちもいるというフォローをするところがフェアでよかったです。成長したアリオンの元で、これからは人々に根差した宗教になっていくのでしょう。

 

理屈っぽく話が進行していく作品ですが、その理屈っぽさが私には合っていました。こういう傾向の少女向け増えてほしいです。