あらすじ・概要
どうすれば効率よく食べ物から栄養素を摂取することができるのか、栄養を研究する人々が、実験室で調査。じゃがいものゆで方、ブロッコリーの加熱の仕方、レバーの血抜きなど、調理の仕方によって失われる栄養素の割合をケースごとにまとめる。
ガチなものを期待していた人にはつまらないだろうけど初心者にはあり
Amazonレビューが低くてびっくりしました。個人的にはそこまで悪い本だとは思いません。
何よりもいいところは実験の条件を詳しく書いてくれているところです。どんな条件下で、素材は何で、何回繰り返したのかが書いてあります。この手の情報をきっちり載せてくれるのは誠実だと思います。
そして、この本は「食べ物の迷信」をぶち壊してくれます。「鉄のフライパンで調理すると鉄分が取れる」「生食用ほうれんそうは生でたくさん食べても大丈夫」「冷凍野菜は栄養が減っている」そういう漠然とした思い込みが、実はエビデンスがはっきりしないものであることがわかります。
ただ、エビデンスがないだけで正しくないとは言っていないのが科学者の本ですね。もしかしたら、別の条件で新しい結果が手に入るかもしれません。無責任に感じるかもしれないけれど科学ってそういうものですから。
情報量が少ないのも、主夫・主婦やひとり暮らしのひとが自炊に活用するならこのくらいでいいと思います。いろいろ書いていても覚えきれませんし。
栄養素が残りやすい調理法について説明しながらも、「便利さや手軽さを優先するならそちらでもいい」というスタンスなのが心地いいですね。説教臭さがありません。
ガチの栄養学本を期待していた人には確かに面白くないでしょうが、初心者の私にはこのくらいのほうがよかったです。