あらすじ・概要
気軽に使える動画投稿サービス、ピアピア動画。そこではさまざまなテクノロジーの萌芽があった。ボーカロイド「小隅レイ」を旗印に、ロケット開発、軌道エレベーター、クジラとの対話など、視聴者が参加する形で推進されていく。インターネットとテクノロジーの関係を描いた連作短編。
こんなのニコニコ動画の解釈違いだ!
面白いことは面白いんですけど、「こんなの私が好きだったインターネットじゃないやい!」と解釈違いを起こしました。
この作品で登場するのはビックなプロジェクトばかりで、そのプロジェクトの結果世の中が変わっています。しかしモデルとなったニコニコ動画の本質というのはそこではありません。
ニコ動にしろpixivにしろ、ほとんどのコンテンツは素人の領域を超えません。河原で石を拾うようなものです。でもその中で好きな形の石を探したり、きらりと光る砂金を見つけるからこそ楽しいんですよ。
それをどでかい金塊渡されて「これがインターネットの力だ!」と言われてもはあ? ってなりますって。
あとほとんどのキャラが善人で漂白されたインターネットであるにもかかわらず、オタク文化のうすら寒い要素は残っているのが気持ち悪かったですね。
特にテクノロジーの力に全く疑いを持っていないところ、女性キャラがマクガフィン的立ち位置で自主性を感じられないところが寒かったです。
恋愛描写もダサいし……。私だったら自分のために宇宙に行く男は嫌です。
一応いいところも言っておくと、あるキャラクターを中心に世の中が発展していく描写や、SF的設定自体は面白かったです。
ニコニコ動画やインターネットがテーマでなければ楽しめたかもしれません。