ブックワームのひとりごと

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『舞台「刀剣乱舞」天伝 蒼空の兵-大坂冬の陣-』(2/17 スイッチング配信版)感想【ネタバレ有】

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※ハッピーな感想ではないので苦手な人はブラウザバックしてくださいね。

後半は褒めてるので読みたい人はそこまでスクロールしてください。

 

あらすじ・概要

大阪冬の陣に出陣した山姥切国広らの部隊は、そこで自分たちと同じ刀剣男士を見つける。別の本丸の刀剣男士と出陣先で鉢合わせすることはないはず。不可解な出来事をいぶかしむ。築城されかけた真田丸に残った一期一振は、そこでかつての主人、秀頼と交流し、自らが何ものであるかを考え始める。

 

豊臣組の出番を加州に食われちゃったのつらい……

うーんキービジュアルの立ち位置から予想できていたことなんですけど、加州清光が豊臣組の出番を食ってしまっているのがなんとも……。

私はずっと刀ステで豊臣組の話をやってくれないかなと思っていました。あまりメディアミックスに恵まれなかったメンバーであるのもそうだし、大阪人として太閤殿下に思い入れがあるのもあります。

でも刀の人数が少ないのに完全に出番や目玉シーンの量がばらけてしまっているのがつらかったです。ゲストキャラ的な立ち位置の太閤左文字、悲伝でかなり掘り下げられた骨喰藤四郎はまだいいんですが、虚伝に引き続き脇役扱いだった鯰尾藤四郎を見てると悲しかったです。

商業作品である以上、キャラクターの扱いに差が出てしまうのは仕方がないのはわかっています。しかし、刀ステは三日月宗近にしろ山姥切国広にしろへし切長谷部にしろ、「そのキャラクターが贔屓されるだけの理由」を作ってくれていました。だからシリーズを追っかけられていたんですけど、ストーリー上完全に部外者の加州清光にここまで活躍させられて、その信頼が揺らいでしまいました。

ここまで言うと加州のこと嫌いなの? って感じなんですが、私の初期刀だし極させてるよ! そのキャラが好きであることと、無条件に作品に出してほしいってことは違います。

加州にはちゃんと新選組っていう物語があるんだから、そこでいくらでも話を膨らまさせられるじゃん! それを豊臣の舞台でやる? っていう……。

 

ぐちぐちと言ってしまって申し訳ありません。楽しめなかったわけではないので、ちゃんと面白かったところについても書いておきます。

 

今回は戦国武将たちが血の気多くて楽しかったです。私、現代の作品で武将がいい人っぽく描かれるの違和感があるんですよね。「戦争=悪いこと」という認識がない時代もあったのに、現代的な発想だけで過去を描いていいのかと。

特にじじいバーサーカーな徳川家康が見ていて痛快でした。こんな時間遡行軍と積極的に戦おうとする人間そうはいないですよ。明らかに力が足りていないのに何度もつっかかっていく胆力よ……。

 

太閤左文字のきゃるーんとした態度も何だか新鮮でした。うちの本丸にはいないんですけど、今までとうらぶにいなかったタイプのキャラですね。お調子者リア充……。

そしてそんな彼を結構面白がっている宗三も意外でした。今までの三兄弟だと鬱々としているんですが、あんな優しいお兄ちゃんみたいな態度もできるんですね。

 

しかし「諸説あり」という言葉にここまで闇と悲しみをかぶせられると思っていませんでした。もう歴史上の俗説を前と同じ目では見られません……。

刀ステに限ったことではないのですが、刀剣乱舞において歴史が修正される動機というのは基本的に「願望」であり、悪意ではないんですよね。そこがつらい。

 

あとシナリオには関係ないんですけれど、スイッチング版の画面の切り取り方がきれいで、映画のワンシーンのような構図を生み出していたのがよかったです。カメラも工夫してくれたんだろうなと思います。

特に一期一振の顔のドアップがぶち抜かれているときは「うおお、この画面ブロマイドにしたら売れそう……」と毎回思っていました。

 

総合的には楽しめたのですけれど「思ってたんと違った……」という気持ちはぬぐえなかったですね。