あらすじ・概要
高校デビューを果たした佐藤一郎は、忘れ物を取りに帰った夜の学校で、青いローブを着た少女と出会う。「リサーチャー」と名乗った彼女に一郎は協力を申し出る。しかし次の日、彼女は佐藤良子というクラスメイトだと発覚する。彼女は妄想の中「リサーチャー」を演じるイタい女子だった。
せりふやモノローグに頼らないアニメ化
小説を読み返した後、アニメも見てみたくなってdアニメに登録、視聴しました。
まず小説で特徴的だった一郎のモノローグがざっくり削られていました。このモノローグのおかげで、読者はすぐに一郎がただ者ではないことがわかるのですが、それがなくなると「普通の少年」であることが強調されます。小説とは別の解釈ができて面白いです。
確かに黙っていれば一郎は普通の少年で、ファンタジーへの傾倒さえなければ、特別ではないんですよね。これはちょっと小説の見方も変わりそうです。
静止画が多かったり、コストがかかりそうな描写は簡略化されていたり、予算が足りなかったのかなという部分はあります。しかし映像だからこそできるちょっとしたしぐさだったり、声優たちの演技だったりは見ごたえがありました。
原作が特徴的だからこそ、あえてせりふやモノローグに頼らないつくりには好印象です。
原作のテーマやおおまかなストーリーは踏襲しつつ、映像でしかできない描写も入れてくれて、いいアニメ化だと思います。
原作好きとしては面白かったです。