あらすじ・概要
勢いでプロポーズしてしまったことから幼馴染の結麻とぎくしゃくしてしまう陽太。ちょっとしたことでも意識しすぎてしまう。そんな中、陽太の自称弟子である小太郎のデビュー作の販売が振るわず、打ち切りが決定してしまう。陽太は小太郎をどうにか支えたいと思うが……。
創作はプロになることがすべてじゃないよ
前の巻で告白をすっとばしていきなりプロポーズをした主人公。大学生としては重いだろ! と思っていましたが、結麻も結構重かったので問題がありませんでした。お似合いカップルだ。
思いを伝えてしまったことでありのままではいられなくなり、意識しすぎたり空回りしたりのふたりがかわいかったです。
あと陽太が変わらず結麻にベタぼれなのが安心感ありますね。ひねくれもので面倒くさいけど不実なことはしませんし。一生一緒にいてくれ……。
そんなラブコメの一方で今回のメインテーマは小太郎の打ち切りについて。思い入れの深いデビュー作が1巻で打ち切りになるのは本当につらいです。打ち切りのショックで迷走してしまう小太郎もかわいそうです。自由奔放な彼女を知っているだけに……。
あの結末は自分自身が小太郎のファンだったら複雑な思いがあるでしょうが、同じ創作をやっている身としては応援したくもあります。
お金を稼ぐこと、プロになることが創作のすべてではないですし、広く作品が読まれることより自分の自由を優先したっていいんです。
そして陽太がその小太郎を助けたいという気持ちが、自分が作品を打ち切られた過去から来ているところがまたいいんですよね。小太郎のためでもあり、自分のためでもある。エゴと善意の中間点で抗う主人公は好きです。
陽太がさくっと立ちかけたハーレムフラグを折るところも潔いですね。こういうきっちりしたところが陽太の魅力です。
ところで2巻までしかない状態で止まっているということは、このシリーズは打ち切りなんでしょうね。
続きが読めないのは残念だけれど、2巻分はきっちり楽しませてもらいました。