ブックワームのひとりごと

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観客の気持ち悪さと舞台少女のエゴのすがすがしさ、両方見られる―『劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライト』【ネタバレ含】

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劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト 劇中歌アルバムVol.2(特典なし)

 

あらすじ・概要

卒業を控え、それぞれに進路希望を提出した舞台少女たち。しかし国立第一歌劇団の見学に行く日、彼女らは再び不思議な世界に迷い込む。武器を取り、レヴューが始まって己の進路や価値観と向き合う部隊少女たち。一方愛城華恋は、砂漠に立つ東京タワーの前にいた。

 

やっぱりこの作品には「男の視線」があるなあ

大場ななめちゃくちゃ怖いです。

いや東京の大学に行ってた身としては早稲田(をモデルにした大学)で演劇を学ぶの全然いいと思うんですが……あそこ演劇すごく強いし一般の大学に通うことも社会勉強ですしね。

でもそれを「日和っている」みたいに思うのは、大場ななのキャラクターを踏まえると納得してしまうんですよね。彼女、メインキャラで一番過激派だから。

彼女に抵抗するには同じくらい苛烈なものを見せるしかないのかもしれないです。

 

他は真矢とクロディーヌのレヴューが好きですね。こんな精神的に殴り合ってる関係そうないですよ。強い女と強い女がバチバチにやりあっている光景最高すぎます。

 

そしてこの作品はしみじみ「男性向けだなあ」と思います。いや露出度が高いとか美少女がどうとか言う話ではなく、観客の象徴としてのキリンがものすごく低い男声だから。

キリンの「わかります」の口癖、自らを燃やして少女たちの舞台に火をくべるところ、絶妙に気持ち悪い。でもその気持ち悪さすら少女たちは糧にしますが? という強火っぷりが感じられます。これがスタァライトにおける観客と演じる少女たちの関係なんでしょうね。

気持ち悪いなりに面白いの、舞台に立つ少女たちがエゴの塊だからでしょうね。彼女らは他人のために演じているわけではないんですよ。

ありがちな「観客への感謝」はこの映画にはありません。自分が演じたいから演じる、誰かのためなんて言わない。そこが清涼感がありました。

 

しかし、ここまで潔く「終わり」「卒業」を書いたわけだから、アニメのスタァライトはここで終わってほしいです。

ソシャゲは構造上そう簡単に終わらせられないでしょうが、蛇足的な続編は作ってほしくないですね。やるなら新シリーズにしてほしい!

面白かったです。