ブックワームのひとりごと

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金魚の屋敷で大人しい女性が探偵代理―路生よる『地獄くらやみ花もなき伍 雨の金魚、暗い隠れ鬼』

地獄くらやみ花もなき 伍 雨の金魚、昏い隠れ鬼 (角川文庫)

 

あらすじ・概要

魔王の跡目争いが一旦落ち着いたものの、現在の魔王ぬらりひょんからあれこれ面倒ごとを押し付けられている皓(しろし)。忙しい彼に代わって青児は探偵代理の紅子と金魚に呪われた屋敷の謎に挑む。皓のいない場所で、青児が事件に巻き込まれる二本立て巻。

 

女性メイン回嬉しいなあ

まさか紅子回が見られるとは思いませんでした。こういう男性メインの作品って女性キャラの扱いが悪くなりがちなので、女性キャラメイン回を作ってくれるのは純粋に嬉しいです。

いつもはお助けキャラ枠の紅子が、皓に代わってどったんばったん大活躍するところは笑えました。この主人あってこの従者ありというか……。いつもは大人しいけど実は強い女大好きです。

謎解きも含めて男がだめで女がたくましい一編でしたね。これをきっかけに男たちがしゃんとしてくれるといいんですが。

 

座敷童編はミステリと言うよりサスペンスでした。鬼ごっこシーン怖い。そして青児の扱いが全体的にひどい。

でも青児のことを真剣に心配する人間がいないからこそ皓の飼い犬みたいな生活ができるのかと思うと読者的にはそれでいいのかもしれません。

見捨てられた人間の話で、事実自体は悲しいけれど少し救いもあったからよかったです。そういう少しの倫理がこのシリーズのいいところだと思います。

 

二本立てなのもあって、全体的に箸休め的な内容だったけれど、これはこれでいい巻でした。