あらすじ・概要
いがみ合う二つの国。その停戦の証として「国で一番賢い若者」を婿に貰うことになったアルハミドのサーラ姫だったが、送られてきたのは子犬だった。一方バイカリに暮らすナヤンバヤルという若者が押し付けられたのは、「最も美しい娘」ではなく、子猫の花嫁だった……。
かわいいがあふれているし町の描写がきれい
原作は既読なのでアニメ映画化された上での変化の部分や、原作の解釈の部分について触れます。
アニメオリジナル要素が多く、原作より展開がゆっくり目になっています。しかし蛇足的には感じず、キャラクターの関係性や内面をしっかり見ることができてよかったと思います。
サーラとナヤンバヤルのかわいいがあふれているのは原作とは変わりません。見ながらかわいい! かわいい! って目がハートになるかと思いました。
ただテンプレ的な胸キュンではなく、サーラやナヤンバヤルの周囲への優しさを見た上で、胸キュン描写があるのがいいんですよね。応援したい……。
作画的には背景の作画がめちゃくちゃよかったですね。砂と岩の世界にきらめくアルハミドの町が、貧しいながらも高い建築技術と水に溢れた自然のあるバイカリの村が、ここぞというときにしっかり見せてもらえます。
アルハミドもバイカリも現政権はだめなんだけれど、サーラとナヤンバヤルを始めとしてメインキャラクターたちが「この国を守りたい」と思うのが納得いきます。
権威主義的な「国を守る」ではなくて、そこに人々の生活があるから守る、ということが伝わってきてよかったです。
原作を踏襲しつつ「映像でしかできないこと」をやってくれたいいアニメ化だったと思います。面白かった!
しかし感想としては蛇足ではあるんですが、宣伝が邦画にありがちなめちゃくちゃダサい言い回しになっているのがどうにかならないのか……絶対これ見てありがちな話だと思っている人がいるでしょうね。