あらすじ・概要
ある日脳にダメージを受け、失語症になってしまった夫。なかなか言葉が出てこなかったり、言いたいのと違う言葉を言ってしまったり。妻である著者は夫を支えつつ、夫婦生活のトラブルを笑いに変える。
言葉に障害のある家族を支える話でありながら、内容はとても明るいので、楽しく読めました。
うまく話せない、言葉が出てこない、言いたいことが言えない、と、冷静に考えると結構困っている状況なのに、夫婦ともども前向きですごいですね。コミックエッセイなので盛っているところもあるにしろ、こういう風に書けるのはかっこいいなあと思います。
アパートの管理人に差別的な態度を取られたけれども、管理会社にクレームを入れたところは面白かったです。障害のある人は泣き寝入りをしなければならないという価値観がうっすらとあると思います。こういうガッツのあるエピソードを読むと元気が出ますね。
困難がありつつも、他人とのコミュニケーションをやめない姿勢はまぶしく、うらやましくもありました。
ただ、漫画と文章が交互に入る本でありながら、漫画と文章で同じことを言っていることが多いのが気になりました。ページ数がもったいないので、文章は文章で違うことを書いてほしかったですね。