ブックワームのひとりごと

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【こうあるべきという価値観の解体をエンタメ化する】『コンフィデンスマンJP ロマンス編』感想

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コンフィデンスマンJP ロマンス編

 

あらすじ・概要

詐欺師のダー子がオサカナとして目を付けたのは、香港の大富豪女性で「氷姫」の異名を持つラン・リウ。彼女を罠にかけようとする過程で、ダー子はかつての仕事仲間で恋愛詐欺師のジェシーと再会する。ダー子と彼は、何らかの過去があるらしく……。自らもランを騙そうとするジェシーと、ダー子は対立する。

 

こうあるべきという価値観を破壊してくれる爽快感

人を食ったような結末に「こういうのが大好き!!」と叫びたくなってしまいました。意地でも「恋愛をしてハッピーエンド」というベタな展開は今作ではやらないという意思を感じます。

「ロマンス編」というタイトルを考えればテーマとずれた結末なのかもしれませんが、雑な恋愛至上主義に毒された映画を見るよりはよほどいいですね。

プリンセス編のときも思いましたが、ストーリーの中で「こうあるべき」という価値観を打破して終わってくれるのが爽快感があるんですよね。やはり、抑圧された感情が解放されるからこそエンタメは面白いです。抑圧された人が抑圧されたまま終わるのは、現実でしかないので……。

 

ストーリー自体に穴がないわけではないです。しかしくるくる展開するストーリーの速さや、コメディシーンの上手さで見ていて飽きない作品です。

邦画ってこういうボンクラでげらげら笑って見られるような作品が少ないので、もっと増えてほしいんですよね。よその監督のギャグセンスが古いのかもしれないですけど。