ブックワームのひとりごと

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『有権者って誰?』藪野祐三 岩波ジュニア新書 感想

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有権者って誰? (岩波ジュニア新書)

 

あらすじ・概要

「選挙に行こう」と呼び掛けてくる大人たち。しかし実際のところ、選挙に行こうとする有権者というのはどのような存在なのか。有権者の定義から、どのような瞬間が有権者の心を動かすのかまで、選挙を学ぶ学生向けの本。

 

どんな行動が有権者の心を動かすのか

選挙に行くことが大事だと人は言言います。しかし実際のところ、選挙はどうして重要なのか? というところに踏み込んでいく本でした。

 

著者は、「慣性の法則」になぞらえて、有権者の価値観や投票行為は何もしなければ変わらない、と説きます。

有権者であっても、ただ漠然と投票を行い、いつも通りの暮らしをしているうちは、大きく社会を変えることはできません。しかし何かのきっかけ、著者風に言うと「神の一突き」があると有権者の行動は大きく変わります。

話は「神の一突き」が発生するのはどのような状況かに進んでいきます。

その過程で、なぜ自民党が与党でありつづけているのかという話になります。

 

私も自民党一強はよくないと思っている派なので、できるかぎり自民党以外の人に投票するようにしています。しかし、自民党に反対する人にさえ、自民党を支持しているのがどういう人たちなのか理解している人は少ないです。

けれどこれは有権者だけの責任ではなくて、ニュースがきちんと支持層や「自民党以外に投票できない理由」を説明しないからというのもあると思います。

自民党と宗教の関係に関しても、私は山上容疑者の事件で初めて詳しいことを知りましたしね。

 

最後に、著者は自分と違う人と出会う重要性や、ボランティアで社会にかかわるメリットを説きます。

私はシャイなので気軽にそういうものに参加できないけれど、実際世の中にどういう人がいるか、知っていく必要があるんでしょうね。