あらすじ・概要
人より強い力を持つ生き物「人外」がはびこっている世界。父親を殺害したとして濡れ衣を着せられた皇女アルスルは、裁きの過程で人外リザシーブと出会う。予言の力を持つリザシーブは、アルスルに奇妙な予言をする。アルスルは、リザシーブと心を通わせ始める。
性と血の匂いがする大人向けファンタジー
性的な話題が多く、大人向けのファンタジーでした。面白かったです。
登場する人外たちもセクハラ発言が多いのですが、人外だからしょうがないな……とギリギリ許せます。人外だと許せてしまうのはどうしてでしょう。
主人公アルスルは「人間らしくない」キャラクターですが、だからこそ人外とコミュニケーションを取り、特異な関係を作り出すことができます。
1巻におけるラスボスを倒すときも、シビアで現実的な理由から倒すのもアルスルらしかったです。人が人でないものを倒す理由なんてわがままなものですよね。
しかし、この作品における社会が、アルスルに求める「人らしさ」も私の立場から見れば怪しいものに思えるので、闇が深いです。
ハードで細かい設定とは裏腹に、「メルティングカラー」や「フェロモン・キャンディ」などの英語由来の造語がどんどん出てきます。さすがに、言語もオリジナルだと話についていけなかったかもしれないので、英語で済ませてしまうのは妥当でした。
独特の世界観、キャラクターが魅力的で一気に読むことができました。面白かったです。