あらすじ・概要
「女の子として生きることにした」汐。しかし、汐の家庭は複雑な事情を抱えていた。汐の妹、操の視点から語られる、家族の過去とは。そして、汐と友人として接してきた咲馬も、これからの汐との関係を考えることになる。
汐と操の家族事情にしんみりする
汐とその妹、操の過去編。時系列が過去ゆえに、番外編のような雰囲気ですね。
汐のジェンダーのことより、汐と操の特殊な家庭事情に重きを置いています。
実母を病気で失ったきょうだいは、現在父親の再婚相手である雪と暮らしています。
操が変わっていく状況の中で、さらに汐が「女の子として生きていく」と決めたことが子ども心にショックだったのだろうと思います。
「お兄ちゃんであること」を求められた汐が、それを呪いだと思いたくないというのが染みました。
ただ操が汐を受け入れられないのは操の問題なので、私は、汐がそこまで気を遣わなくてもいいのではないかと思います。汐も、お兄ちゃんと言えども未成年ですからね。
でも未成年なんだからそこまで責任を負わなくていい! と思うのも大人の価値観かもしれません。ややこしいですね。
そしてついに、腹をくくった咲馬。汐とどこまで一緒に行けるかはわからないですが、今はその決断を支持したいです。
次巻は大きく話が動き出しそうで、楽しみです。