ブックワームのひとりごと

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ツンデレおじさんが追われる王子と疑似家族 多崎礼『血と霧1 常闇の王子』感想

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血と霧 1 (ハヤカワ文庫JA)

ハヤカワ文庫Kindleセールで購入したもの第一弾。『夜と霧』と関係あるのかなと思いましたが特になさそうです。

 

あらすじ

血液が社会を回している巻貝都市。探索者のロイス・リロイスは、行方不明になった王子を探してほしいと頼まれる。見つかった王子となりゆきで共同生活を送るうちに、彼に情が移ってしまい何かと気にかけるようになる。

 

ツンデレ主人公かわいい

主人公ロイスのツンデレっぷりがかわいくてそれだけで楽しい気分になりますね! 素直になれないところがかわいい。本心を隠しているつもりが周囲にすぐばれるのが愛しい。

ただ表面的にツンツンしているわけではなくて、その背景には過去のトラウマとか、やむを得ない事情があるのが好きです。安易なツンデレは批判されることも多いけれど、やっぱり面白いストーリーをもってツンデレを説明してもらえるとときめいてしまいます。

不器用ながらもいい奴なので、周囲のキャラクターがロイスのことを何かと気にかけるのも納得がいきます。一歩間違えば白々しくなってしまいそうな展開も、主人公のいい奴っぷりがあるので説得力が増します。

 

ハードボイルド・ハイファンタジー

設定は結構難しいので、理解するまで時間がかかりました。慣れてしまえば個性的で深みのある設定です。キャラクターのやりとりが面白く、それを追いかけていけば自然と設定も頭に入ると思います。

ハイファンタジーとハードボイルド小説のいいとこどりをしたストーリーが新鮮で面白かったです。大人向けのファンタジーといった感じでした。

章が進むごとに緊迫感を増していき、ルークがどうなるのか気になっています。2巻で一区切りになるようなので、続きが楽しみです。

主人公以外で個人的に好きなのはヴィンセント。あの終盤の告白はずるいと思います。主人公に限らず好きになってしまいますよ!

最後が不穏なので彼の安否が気がかりです。

 

まとめ

ツンデレおじさんにきゅんきゅんして面白かったです。2巻も買ってあるので早いうちに読み終わりたいですね。

メインキャラたちには幸せになってほしいけれど、ただでは終わらない雰囲気です。

 

血と霧 1 (ハヤカワ文庫JA)

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