ブックワームのひとりごと

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変人に描かれているシャーロックはやっぱり変人 アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ全集1 緋色の習作』感想

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緋色の習作 (シャーロック・ホームズ全集)

 

あらすじ

見知らぬ男とルームシェアをすることになった、元軍医のワトソン。同居人シャーロックは、警察の捜査に協力する諮問探偵だった。やがて毒殺事件が起こり、シャーロックはその解決に乗り出す。

 

やっぱりクズ野郎だった

先に現代版アレンジをした作品『SHERLOCK』を見ていて、「さすがに原作はここまでクズではないだろう」と思っていたんですが、やっぱりシャーロックはクズ野郎でした。

いや~本当にこいつ性格悪いですね。ワトソンはよく我慢できるなあ。

ただ、かなりの人格破綻者であるにもかかわらず、すごく魅力的に感じる描写がなされているんですよね。本当に生き生きしてます。「当時のラノベ」と評している人の気持ちがわかります。

こんなシャーロックと友達になれるワトソンの人格も謎なんですが、その謎な人格を考察したのが『SHERLOCK』という二次創作なのかもしれません。

 

注釈の多さがすごい

シャーロック・ホームズシリーズにはさまざまな訳が出ています。しかしこの本は注釈の多さがすごかったです。5分の2くらいは注釈ページなんじゃないかな。

厚さのわりに本文が少ないので、そこは物足りなく感じる人もいるかもしれませんが、時代背景もがっつり知りたいという人には逆におすすめできます。

翻訳も、そこまで読みにくくはなかったです。翻訳独特のくせはありますが、なるべく軽減されるように書かれている気がします。本が好きなら子どもでも読めると思います。

とりあえずシャーロック・ホームズシリーズを一冊読んでみたい、という場合にはちょうどいい本でした。

 

まとめ

シャーロックは原作でもだいぶ変人だったことがわかりました。

この変人っぷりが魅力的だからこそ、パスティーシュや二次創作がいっぱい書かれてるんですね。

緋色の習作 (シャーロック・ホームズ全集)

緋色の習作 (シャーロック・ホームズ全集)

 
シャーロック・ホームズの見たロンドン―写真に記録された名探偵の世界 (河出文庫)

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