ブックワームのひとりごと

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孤独な少年が心の中に他者を受け入れる―キャサリン・パターソン『テラビシアにかける橋』

テラビシアにかける橋 (偕成社文庫)

今日の更新は、キャサリン・パターソン『テラビシアにかける橋』再読感想です。

 

あらすじ・書籍概要

絵を描くのが好きなジェシーは、隣に引っ越してきた、ちょっと変わったところのある少女レスリーと仲良くなる。ふたりは川向こうの土地に、「テラビシア」という空想の国を作り始めた。

 

あまりフィクションで泣かないタイプの人間なんですが、この本だけは何回でも泣いてしまうんですよね。それだけ主人公のジェシーに共感してしまうのだろうと思います。

引っ込み思案で、ただ絵を描くことを救いにしていたジェシーが、テラビシアを作ることによって空想を共有する楽しさを知ります。

空想をきっかけに、ジェシーは少し優しく、しっかりした少年になっていきます。

 

ところが、ジェシーに悲しい出来事が起こります。打ちのめされるジェシーに、周りの大人たちはそっと言葉をかけます。

無理解だと思っていた大人たちが、本当はジェシーを気にかけていたことがわかり、ジェシーも少しずつ悲しみを受け入れていきます。

この、「愛されていた」ことが伝わるシーンは何度も泣いてしまうところです。多くは語らないけれど、ジェシーに寄り添おうとするジェシーの父。ジェシーを呼び出して自分の過去を伝える学校の先生。その優しさに苦しくなってしまいます。

 

そして、タイトル通り物語は「テラビシアにかける橋」で終わります。

孤独な少年が心の中に他者を受け入れ、未来に進んでいく結末は悲しいけれど希望に満ち溢れていて好きです。

とても悲劇的な物語ですが、悲しいだけではない、愛情と優しさに満ち溢れた作品でした。

 

まとめ

何度でも泣いてしまうのでたまに読み返したくなってしまいます。

悲しい話だけれど、確かに希望がある作品です。みんなに読まれてほしいです。

テラビシアにかける橋 (偕成社文庫)

テラビシアにかける橋 (偕成社文庫)

 
テラビシアにかける橋

テラビシアにかける橋