今日の更新は、山内和彦『自民党で選挙と議員をやりました』です。
あらすじ・概要
古いコインを商っていた著者、山内和彦は、ある日市会議員候補の公募に参加しないかと持ち掛けられる。自民党の支援を受けて出馬し、候補者として選挙活動を戦っていくことになったのだが、そこにはさまざまな「決まり」があった。血筋もコネもない人間から見た「出馬」を描く本。
こんな人におすすめ
- 選挙活動についてよく知らない人
- 自分の知らない世界が見たい人
- 政党と候補者の関係について知りたい人
選挙について何も知らない人におすすめ
読んでいくほど、「そういえば、選挙について何も知らなかったな」と思い知らされる本でした。
サクサク読めて情報量として多いわけではありません。しかし、それでも知らないことばかりということは、私があまり選挙の実情について関心を持ってこなかったということですね。
10年以上前の本なので変わっているところは多いでしょうが、日本の選挙活動についておおまかな流れがわかりました。
この本には出馬する上でのお金の事情、党との付き合い、自民党独自の候補者支援などが書かれています。本にする上でいくらかマイルドにはなっているとは思いますが、なかなか世知辛い内容が多いです。
たとえば自民党から公認されると公認料として50万円もらえるのですが、このお金はなぜか返さなくてはなりません。何で? 謎の風習すぎます。
それから選挙を戦う上での伴侶の協力。著者の奥さんは仕事をしているので全力でバックアップはできなかったんですが、だからと言って奥さんが顔を出す団体と出さない団体があると「あっちには挨拶してこっちにはないのか」と噂をされるようです。め、めんどくせえ!
こういうわけのわからない非合理的な部分が、選挙にはあるんですよね。他人事ながらめちゃくちゃ効率化したいです。むずむずする。
私みたいに選挙活動について何も知らない人には入門書としていいと思います。
「自民党」とタイトルについてはいますが、著者自身の語り口にはさほど政党色は強くありません。だからよその政党を支持している人にも気軽に読んでほしいですね。