今日の更新は、長月遥『花冠の王国の花嫌い姫5 クロサンドラの聖人』です。
あらすじ・概要
まだ大砂漠帝国の皇帝と離縁ができていないフローレンスは、静養を建前に皇帝の兄が住むズィーネへ向かう。彼は先の反乱の首謀者だった。しかし正教会の重要人物メレディスの陰謀により、フローレンスはイスカとともに海上の船へと向かう。
当て馬が出ない恋愛と信頼関係
ここまで読んで気づいたんですけれど、この作品当て馬が出ないんですよね。フローレンスが便宜上政略結婚する大砂漠帝国皇帝ですらフローレンスに恋愛の矢印を向けてこない。
この作品のテーマはイスカとフローレンスの恋愛と信頼関係、国と国同士の政治戦だと思うので正解だったと思います。
イスカとフローレンスの仲もちょっと進展して、ほほえましかったです。お互いいい子すぎてスキンシップがなかなかできないのかわいいですね。相手のことを考えすぎて空回りしまくっているふたりが愛しいです。
◎ここからネタバレ◎
名前だけは登場していた正教会のメレディスが本格的に登場。なかなかいい性格をしていますね(褒め言葉)
メレディスは栄華の頂点を極めることに興味がなく、ただ栄えている存在の二番手三番手でいることを望む女性です。
悪役は悪役なんですけれど、彼女なりに筋の通った発言をしています。こういうキャラクターは倒しがいがあっていいですね。
しかしこの巻のラスト、フローレンスがくしゃみを連発するところをみんなに見られるシーンは心が痛かったです。私もアレルギー性鼻炎なので他人事ではありませんでした。